イエローストーン国立公園の歴史について

アメリカにある「イエローストーン」は、世界で初めて「国立公園」に指定された場所です。吹き上げる間欠泉、さまざまな野生動物、見たこともない草花、など日本では見られないさまざまな光景があります。

ここではそんなイエローストーンの歴史を紐解いていきましょう。

1・世界で初めての国立公園・それがイエローストーン

1-1・イエローストーンは数百万年を感じさせる火山がある

イエローストーンでは約220万年前、約130万年前、約64万年前と3度の大噴火が起こっています。その規模はアメリカ大陸全土の生き物が死滅するほどとも言われていますから、非常に大きなものです。

現在の人類=ホモ・サピエンスが発生したのは約20万年前と言われていますから、イエローストーンは私たちの祖先が生まれるよりもはるかに昔から、この地球を見ていたわけです。

1-2・イエローストーンと人類の関わり

イエローストーンと人類が関わるようになったのは約12,000年前のことです。この地域周辺で暮らしていた民族が、イエローストーンで産出した黒曜石をナイフや「やじり」として利用していた痕跡が残っています。

1-3・世界で初めての「国立公園」の誕生

1806年、ジョン・コルターという人物が白人として初めてこの地を訪れたと言われています。彼は地形や資源などの調査を目的とするルイス&クラーク探検隊の一員ですが、毛皮のルートを求めて本体と別行動をしていた時、イエローストーンに遭遇したようです。

1857年、1859年にも何人かの調査隊が入っていますが、雪の影響やアメリカ南北戦争の勃発などで調査は大きな成果をあげられませんでした。

1871年にはアメリカ合衆国はイエローストーンに50人もの調査隊を派遣しています。隊の主要人物であったフェルナンド・ハイデン博士はイエローストーンの自然を保護するために国有地にすることを早い段階で提唱したものの、最初は人心を動かすことはできませんでした。

しかし、探検隊に参加した画家や写真家が伝えた景色があまりにもインパクトがあったため、議会を動かします。翌年、1872年3月1日、イエローストーンは国立公園に指定されました。

2・国立公園を通じて自然との関わりを学ぶ

2-1・国立公園としての発展

国立公園に指定後、初期の段階では予算も少なく整備は難航しました。しかし、徐々に情報が広まり、人々の関心が向くと観光客も増えていきます。

1890年には初めてのホテルも出来て、徐々に環境が整っていきます。人気の増大とルーズベルト大統領の現地訪問によって、さらに予算が増えるようになり、道路の整備や宿泊施設の建築にも拍車がかかりました。1904年に建てられたオールドフェイスフル・インという宿泊施設は、100年以上経った今でも世界最大級のログキャビンです。

また、社会に車が浸透したことも入園者の数を増やす要因になりました。1908年にT型フォードが市販されると、車に乗ったまま園内を回る現在の「サファリパーク」のような楽しみ方が流行し始めます。1915年には50,000台もの車が訪れるようになり、イエローストーンはどんどん人気スポットになって行きました。

2-2・「野生動物は野生のままに」

発展は必ずしも明るい話題ばかりを提供したわけではありません。1950年代には集客増大のために動物の餌付けが行われ、観光地化がさらに進みます。

しかし、人間を恐れなくなったクマとの接触は事故にも繋がり、キャンプ地に頻繁に訪れるようになったクマから被害を受けるというトラブルが発生しました。そのトラブルに対する対応でクマが激減、自然を売り物にしていたはずの国立公園で、不自然な餌付けを行ったことへの反省を込めた言葉が、「野生動物は野生のままに」、というものでした。

2-3・大火災の発生による惨劇

国立公園局は餌付けの件への反省を込めて、自然を尊重するようになりますが、1988年には新たな悲劇が起こります。

5月24日に山火事が発生し、6か月にもわたって火災は続きました。これによって公園の3割以上が焼失します。美しい森や動物たちにも甚大な被害が発生し、これには「自然のまま放置しすぎ」という声も上がったようです。

2-4・オオカミの再導入

このダメージによって生態系の崩壊を懸念した当局は、1995年にカナダからオオカミを搬送してきます。実はオオカミはもともと公園内に生息していたものの、人間や家畜に被害を与えるという理由で駆逐されていました。それを再導入するというのですから反対の声も上がります。

しかし、その後の評価では、人間の暮らしよりも自然環境を優先したオオカミ再導入は成功だった、との見方が有力です。

2-5・バッファロー狩りの再開

もともとイエローストーンで行われていたバッファロー狩りは19世紀の後半にいったん禁止されていました。しかし、1990年代には、先住民の子孫の人たちの運動もあって、年に数回のバッファローの狩猟は行われるようになりました。

前項で説明したオオカミの再導入には、先住民ネ・ペルセ族の請願もあったと言います。現在はこの部族と公園局は共同でオオカミの管理も行っています。

2-6・自然との共存を模索

自然との共生については、何がよかったのかという問いはなかなか答えが出るものではありません。5年、10年の単位で良かったと思えることも、100年、1000年というスパンで見ればどうなのかは確証をもって答えられる人はいないでしょう。しかし、考え続け、自然を守ろうとする意志をもっていることこそが重要、ということをイエローストーンで起こった出来事は人類に告げています。

3・まとめ

イエローストーン国立公園の歴史のごく一部を紹介してきました。イエローストーンは広大な面積を持っていますから、その歴史はここで語りきれるようなものではありません。

また、歴史は過ぎ去ったものではなく、今この時も進んでいるものです。イエローストーンの歴史をこの目で見たい、という方は、トマトツアー株式会社にご相談ください。

当社は旅程から宿泊施設の予約などを含めて、イエローストーンへの旅を誠意をもってお手伝いいたします。

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